自由が丘振興組合様

地域BWAの構築に、1台のアクセスポイントでWi-Fi利用とBCP対策に活用できるRelay2を採用しました

自由が丘ステッカー

2017年5月、自由が丘振興組合は、地域限定の無線通信「地域広帯域移動無線アクセス(以下、地域BWA:Broadband Wireless Access)システム」の提供を開始。同システムには、エッジコンピューティング機能を搭載した高性能Wi-FiアクセスポイントRelay2が採用されています。システムの運営を担うJASPAS株式会社に詳しく話を伺いました。

自由が丘振興組合について

買い物やグルメ、散策など、東京23区内でも有数の人気スポットとして知られる自由が丘(東京都目黒区)において、商店街の活性化と、地域住民の生活向上のために活動している自由が丘振興組合。1963年に設立され、現在では約1,300店舗が加盟する国内最大級の商店街組織としても知られている。イベントの開催や情報発信をはじめ、商店街の清掃や美化活動、安全安心の確保など、自由が丘の商店街をより魅力的で住みやすい街にするための活動を展開している。

【利用状況】商店街の10か所にアクセスポイントを設け、地域BWAを展開

街路灯に設置されているアクセスポイント

― 自由が丘振興組合が提供している地域BWAについて伺いたいと思いますが、地域BWAについても含め、取り組み状況を教えていただけますでしょうか。

地域BWAは、私たちが普段スマートフォンなどで利用している大手通信キャリアが使用している周波数帯とは異なる、2.5GHz(ギガヘルツ)帯の周波数の電波を使っている無線システムです。
電波法令制度によって利用方法が定められており、地域の公共サービスの向上やデジタル・ディバイド(条件不利地域)の解消など、地域や公共の福祉の増進に寄与することを目的とした電気通信業務用の無線システムとなります。

地域BWA、すなわち2.5GHz帯の通信網には安定的なデータ通信ができるという特長があり、災害発生時などに一般的な無線データ通信がつながらなくなるような状況でも、比較的安定的に高速データ通信ができるとされています。そのため、非常時に地域住民や来訪者に対して避難誘導や災害などの情報を提供する通信手段として活用できると期待されています。

自由が丘振興組合においても、災害時に避難誘導情報や被害状況を提供するための手段の1つとして、商店街の街路灯10か所にアクセスポイントを設け、地域BWAを利用したフリーWi-Fiスポットを展開しています。なお、平常時には公衆無線LANの「Wi-Fiスポット」として利用してもらうことで、街の利便性を高め、観光や商店街情報の配信など地域振興に活用しています。

― 地域BWAは、自由が丘振興組合が独自で展開しているのでしょうか。

目黒区役所、自由が丘警察署、自由が丘消防署、自由が丘の病院やホテルなどで構成される、避難誘導のための連携組織である「自由が丘帰宅困難者協議会」と連携をしながら、地域BWAはJASPAS株式会社が、地域BWAを利用したWi-Fiスポットは自由が丘商店街が、アクセスポイントの設計・構築・保守運用はオーガニック・コミュニケーションズ株式会社が、アクセスポイント「Relay2」の端末提供と技術支援をティーガイアが担当しています。

― 設置・運営の費用は振興組合がすべて負担しているのでしょうか。

一部、補助金なども利用していますが、設置・運営の費用は振興組合が担っています。また、アクセスポイント設置に関しては、設置場所のオーナー様に費用負担はありませんが、様々な面で協力をいただいており、多くの関係者さまのご支援のもと運営しています。

【導入背景】目指したのは災害発生時に情報を提供する非常用通信手段の確保

JASPAS株式会社 代表取締役社長 岡田 一弥氏

― 地域BWAを利用したフリーWi-Fiスポットを設置した背景を教えてください。

自由が丘の商店街には、通常の休日でも10万人以上、イベントを開催するときにはその何倍もの来訪者がいると言われています。一方、災害発生時に交通網などが麻痺してしまった場合、そのような大量の帰宅困難者を安全に収容する施設や場所がありません。そのため、2キロメートル以上離れた駒沢オリンピック公園に誘導することが決まっているのですが、道幅が狭く入り組んでいる場所もあるため、来訪者を導くのは容易なことではありません。

東日本大震災の際にも、幸いにしてパニックなどは発生しませんでしたが、混乱状況の中でマンパワーだけで対応するのは難しいということを実感しました。そのため、日本人だけでなく外国人も含めたほとんどの人が持ち歩いていると言われるスマートフォンなどのモバイルデバイスに情報を提供する非常用通信手段を確保することで、来訪者の方はもちろん、地域住民の皆さまや商店街で働く皆さまの安全を担保するBCP対策の一環として、さらには安心して暮らし、働き、楽しむことができる街づくりの一環として、地域BWAを設置するにいたりました。

【選定理由】フリーWi-FiとLTE、2種類の通信網で利用可能なアクセスポイントを採用

アクセスポイントの機器構成

― アクセスポイントとしてRelay2を採用した経緯を教えてください。

Wi-Fiは電波干渉が発生しやすく、災害時に安定した通信を確保するのは困難です。そのため、2.5GHz周波数帯を使用するLTE(Long Term Evolution)回線による通信網を構築する方針を固め、技術的な支援をティーガイアに依頼したところ、提案を受けたのがRelay2(RA620)でした。

Relay2は、アクセスポイントにサーバ機能を組み込むことができるエッジコンピューティング機能を搭載しているため、プライベートLTE用小型基地局(HNB-5100-BW)と組み合わせることで、フリーWi-FiとLTE、2種類の通信網で利用可能なアクセスポイントを実装できます。

また、Relay2はLTE回線を使用することで、複雑なネットワークの設計をすることなくプラグ&プレイ方式で導入が可能です。さらには、運用面でも遠隔から機器状態を管理・確認できるため運用負荷を軽減できること。コストパフォーマンスも高く、ティーガイアからの技術支援も期待できることから採用を決めました。

【評価】ティーガイアの豊富な経験やノウハウ、高い技術力を評価

― 今後の展開予定などがあれば教えてください。

アクセスポイントを増設することで通信網の拡充を図っていくと同時に、提供するコンテンツの充実、さらにはエッジコンピューティングの機能を活用した街頭のデジタルサイネージへのデータ配信、プッシュ型の情報提供などといった機能の拡充にも取り組んでいきたいと考えています。

― ティーガイアへの評価や期待があればお聞かせください。

今回の地域BWAの構築において、Relay2にように多彩かつ柔軟に機能を組み込むことができる通信機器はまさに理想的でした。その提案・提供を通じて、プロジェクトを支えてくれたティーガイアにはとても感謝しています。また、ティーガイアは経験やノウハウが豊富で、技術サポートなどの対応も迅速でレベルが高いので、安心してプロジェクトを進めることができました。これからも、これまでと変わらない支援と、ティーガイアならではの提案やシステムの提供に期待しています。

団体概要

団体名:自由が丘商店街振興組合
代表者:原 武
所在地:東京都目黒区自由が丘1-29-16
設立:1963年

※ 自由が丘振興組合のホームページ
※ 取材日時 2023年7月

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