人の温かみに惹かれて

　人々の生活を支える仕事がしたい。世の中や人々の生活の役に立つ価値を提供したい。そんな想いから、食品や日用品をはじめ、人々の生活に関わる商品・サービスを取り扱う企業を回った。その中で前田の心をつかんだのは、モバイルというインフラを担うティーガイアの存在だった。
　「私が就職活動をしていたのは、スマートフォンが普及し始めたタイミングでのこと。この新たなインフラを支えていく仕事に強く惹かれましたし、出会う人すべてが何よりも『人』を大切にしている点に心を打たれました。しっかりと就活生に寄り添ってフィードバックをしてくれる。次の選考の連絡もメールで済まさず、電話で対話をしてくれる。些細なことかもしれませんが、他の企業にはない温かみを感じたことを覚えています」
　入社後はショップ勤務からキャリアをスタートし、確かな成果を買われてマネージャーに。そして、人事総務部での採用担当を経て、前田は徐々に経営への関心を深めていく。
　「お客さまに価値を提供することにも大きなやりがいを感じていましたが、私自身、ティーガイアという会社を好きになっていったことが大きいですね。企業理念の策定や新事業のアイデアコンテストの開催など、社員自らが手を挙げて、取り組みを推進できる機会が多くありますし、会社も社員の主体的なチャレンジを応援してくれる。キャリアを重ねるごとに、ティーガイアの一員であることを誇りに思い、社員みんなの力になりたいと考えるようになりました」

サステナビリティは
慈善活動ではない

　現在、前田が所属するのはサステナビリティ推進部。2022年に発足された新たな部門だ。そのミッションは、企業価値と持続可能性を高め続けていくための舵取りをすること。社会から求められる環境・社会課題の解決に対して、経営陣や社内の各部署と連携しながら、ティーガイアグループが歩むべき方向性を示していく。その業務内容は戦略の立案から、具体的なアクションの企画・実行、外部への情報開示と多岐にわたる。
　「昨今、企業に求められる責任はさらに広範なものになりました。消費者はもちろん、投資家や社員、社会、地球まで含めて、私たちのお客さまであるという認識を持たなければ、企業は存続できません。サステナビリティは慈善活動ではなく、経営課題そのもの。サステナビリティ推進部の仕事は経営をよりよいものにし、企業価値を高めていくものだと言えます」
　サステナビリティ活動を推進していく上で、前田はある想いを抱いていた。それは、専門用語を並び立てて、押しつけられただけのものではなく、社員一人ひとりがその重要性を理解し、本質的な意味を持つ活動にすることだ。
　「サステナビリティの重要性を理解し、それぞれに意識を持ってもらうために、若手社員を対象としたサステナビリティワークショップを実施しました。希望者限定の取り組みであったにも関わらず、各部門・各店舗から40人以上の参加者が集まったことには驚きを感じましたし、うれしくもありましたね。この活動は社員全員で進めていくもの。だからこそ、『頭でっかち』の活動で終わらせたくはなかったんです」

すべての社員に、幸せを届ける

　ティーガイアが存在することで多くの人が満たされ、社会全体が豊かになる。そこで働く社員も幸せを感じ、いきいきと活躍している。その活動から環境にもよい影響が生まれる。そして、その存在が投資家に支持され、さらなる活動資金が寄せられ、その活動が拡大していく。前田らの仕事はそんな理想的な輪を生み出していくためのものだ。
　「サステナビリティは、会社のすべてに及ぶ幅広い課題であり、まだまだやるべきことは山積しています。このミッションは、これまでのキャリアで最大のチャレンジであり、今後につながる試金石となるもの。今はまだ部門が発足したばかりですが、経営陣や人事部門と連携し、さらにこの活動を発展させていくつもりです。この活動を通じて、社員一人ひとりのウェルビーイングを向上させる。それが、今の私の目標です。ティーガイアの企業価値をさらに向上させることで、みんなの幸せを実現していきたいですね。経営に関わりたい、この会社をよりよくしたいと考えている新たな仲間たちを心待ちにしています」
　すべては、愛すべき会社と仲間たちのために。「ティーガイアっていい会社だね」「この会社で働けてよかった」。そんな何気ない声の一つひとつが、彼らの仕事を支える原動力になっていくはずだ。